経営者は孤独なもの、だが

人は光を浴びたところにしか注目しないが、
影を見た者しか本質は掴めない。
孤独とはその影に立つ時間だ。
誰も見ていない場所で、自分の中の静かな声に耳を澄ませる。
そこでは、飾りも見えも通用しない。
残るのは、人間としての素の意志だけ。
人は賑やかな世界にいながら最も大切な声を聞き逃して生きている。
誰かの期待、誰かの評価、誰かの成功話。
そんな音ばかりが大きく響き、自分の声はどこか遠くでかすれていく。
だが、ふと静かな時間に心の奥から小さな声が聞こえる瞬間がある。
あれが本当の自分の声である。
孤独とはその声を聞きとるための時間。
孤独こそが人間を強くし、鋭くし、そして優しくする。
その孤独をどう生き、どう使えば人は強く、賢く、自由になれるのか。
私自身が積み重ねてきた経験、失敗、決断の中で見つけた孤独の力を伝えていく。

人は、誰かの目を気にした瞬間、自分の人生を手放す。
誰かに認められたい。
誰かに嫌われたくない。
そう思った時点で舵を渡している。
だが、孤独の時間だけは違う。
そこには誰の視線もない、拍手も批判もない。
何を選ぶか、どう動くか、全部自分で決めるしかない。
だからこそ、孤独は怖いもの。
その恐怖こそが自分が主人公なんだという現実を突き付けてくる。

誰かの物語に生きるのをやめ、自分の人生に戻るとき、
人は初めて個の力を持つ。
誰かに相談したくなるのも分かる。
だが、他人の判断を借りて生きる人生に納得なんてない。
誰かの言葉に逃げず、自分で決めて、自分で背負う。
その積み重ねが人を強くする。
孤独は自分の判断に責任を持つ訓練、稽古なんだ。

人が迷うのはやりたいことが分からないからではない。
どう思われるかを気にして、自分の声を無視しているから。
周りに合わせて選んだ道は、安心はくれるが、誇りはくれない。
孤独は悪いものではない、病んでる人が抱えるものでもない。

自分の中の眠っている本当の動機をあぶり出す。
誰かに勝ちたいのか、自分を超えたいのか。
評価が欲しいのか、価値を残したいのか。
孤独の中では嘘など通用しない。
次の自分を仕上げるための大切な時間である。
この時間こそ思考が深くなり直感が鋭くなる。
人生を整えるための作業場、静けさを味方にしよう。

自分に問いかける。
なぜそれをやりたいのか、
なぜ譲れないのか、
孤独の中に出した答えはどんな批判にも揺るがない。
自分の物語は自分で動かせる。
いつでも人生の主人公は自分自身である。

続きは次回…















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