責任を取る勇気
「責任は私が取る」
この言葉を、本気で言える人間は意外と少ない。
口にするのは簡単だ。
だが、いざその場が来た時、
前に出て頭を下げられるか。
矢面に立てるか。
そこで本物かどうかが分かる。
仕事は、想定通りに進まない。
どれだけ段取りを組んでも、
どれだけ注意を払っても、
トラブルは起きる。
だから大事なのは、何も起きないことじゃない。
何か起きた時に、どう振る舞うかだ。
現場で問題が起きた時、
誰かのせいにするのは簡単だ。
下請けが悪い。
段取りが悪い。
説明が足りなかった。
理由はいくらでも並べられる。
だが、その瞬間、現場の空気は一気に冷える。
人は「次は自分が守られるか」を疑い始める。
信頼は、音を立てずに崩れていく。
自分は、何かあった時に逃げない人間でいたい。
まず前に出る人間でいたい。
「それは自分の責任です」
「こちらで対応します」
この一言が言えるかどうかで、
仕事の質も、チームの空気も、その後の関係も変わる。
責任を取るというのは、
声を荒げることでも、
自分を大きく見せることでもない。
最後までやり切ること。
逃げずに向き合うこと。
同じ失敗を繰り返さないこと。
それだけだ。
責任を取るとは、
“原因探し”より先に、
“復旧と再発防止”を引き受けることだと思っている。
原因は後でいい。
まず止血する。
現場を守る。
相手が判断できる材料を揃える。
そして、次に同じことを起こさない形を残す。
不思議なもので、腹を括った人間の周りでは、人の動きが変わる。
守られていると感じた時、
人は驚くほど力を出す。
逆に、責任を他人に押し付ける人間の周りからは、
人は静かに離れていく。
残るのは、形だけの関係だ。
自分は、大きな会社を作りたいわけじゃない。
ただ、
「この人となら仕事がしたい」
そう思われる人間でありたい。
だから、何かあれば、責任は私が取る。
それを、言葉じゃなく、
現場と行動で示し続けていく。

