できる人ほど楽をしない
仕事をしていると、
「もっと楽にやればいいのに」と言われることがある。
要領よく。
効率的に。
無駄を省いて。
それ自体は、間違っていない。
むしろ、必要な考え方だ。
だが、長く仕事をしていると、
一つだけ分かることがある。
本当にできる人ほど、
一番きついところを自分で引き受けている。
誰も見ていない確認。
面倒な後始末。
失敗した時の説明。
嫌われ役になる判断。
そこを避けない。
楽な道を知らないわけじゃない。
逃げようと思えば、いくらでも逃げられる。
誰かに回すこともできる。
うまく言えば、責任を薄めることだってできる。
それでも、
「ここは自分がやるところだ」
そう分かっている。
面白いことに、そういう人は忙しそうに見えない。
慌てない。
声も荒げない。
余計な言い訳もしない。
ただ、一番厄介なところだけが、
いつの間にか片付いている。
派手な動きはない。
だが、現場が崩れない。
だから周りが落ち着く。
結果として全体が回る。
仕事は、華やかな成果で評価されるようで、実際は違う。
最後に残るのは、
「この人がいたから助かった」
その一言だけだ。
できる人は、自分を守るのがうまいんじゃない。
仕事を守るのがうまい。
仕事を守る人は、
段取りを守り、基準を守り、関係を守る。
だから結果的に、
自分も守られていく。
これは努力論でも、根性論でもない。
どこを楽していいのか。
どこは楽をしてはいけないのか。
どこを引き受けるべきなのか。
その選び方が、
その人の価値を決めている。

