特別養護老人ホームの業務用エアコンが夏に冷えない原因はガス漏れか|室外熱交換器2台を修理した事例【浜松市】
夏場になると業務用エアコンの効きが落ちる。
この症状は、一時的に動いているからといって放置してよいものではありません。特に特別養護老人ホームのように、空調不良がそのまま利用者さまの体調リスクにつながる現場では、場当たり的な対応ではなく、原因を確定させたうえで修理を進める必要があります。
今回は浜松市の特別養護老人ホームにて、夏場になると業務用エアコンが冷えないとのご相談をいただきました。毎年同じような症状を繰り返しており、だましだまし使っていたものの、徐々に効きが悪くなってきたため点検を実施。冷媒系統を確認した結果、室外熱交換器2台からのガス漏れを確認し、根本修理へ進めた事例です。
①依頼背景
浜松市の特別養護老人ホームより、
「夏場になると業務用エアコンの効きが明らかに落ちる」
とのご相談をいただきました。
介護施設では、空調不良は単なる設備トラブルではありません。
利用者さまの居室環境や体調管理に直結するため、
「いまは一応動いているから様子を見る」
という判断は取りにくい現場です。
しかも今回は、毎年同じような症状を繰り返しているとのことでした。
そのため、単なるガス補充で一時的にしのぐのではなく、原因を特定したうえで修理する前提で現地対応を行いました。
②概要(場所・症状・対象設備)
【場所】浜松市 特別養護老人ホーム
【症状】夏場になると冷えない、年々効きが悪くなっている
【ご相談内容】だましだまし使っていたが、限界が近いため原因を見てほしい
【対象設備】業務用エアコン
今回のような「夏だけ効きが悪い」「毎年少しずつ悪化する」という症状は、単なる設定や一時的な負荷だけではなく、冷媒系統の不具合が隠れていることがあります。
そのため、感覚的な判断ではなく、系統として何が起きているのかを順に整理する必要があります。
③診断
まずは現地で、症状の出方と機器の状態を確認しました。
この種の不具合で注意すべきなのは、
「冷えない=とりあえずガスを補充すればよい」
と決めつけないことです。
一時的に能力が戻っても、どこかで冷媒が漏れていれば、時間とともにまた同じ症状が再発します。
しかも施設空調では、その再発が真夏の運用に直撃します。
そこで今回は、冷媒系統を前提に状態を確認し、冷媒が不足しているのか、漏えいがあるのか、どこに原因があるのかを切り分けながら診断を進めました。
④原因特定
点検の結果、室外熱交換器2台からのガス漏れを確認しました。
今回の「夏に冷えない」原因は、単なる能力不足ではなく、室外熱交換器側の漏えいによって冷媒量が維持できず、冷房能力が落ちていたことにありました。
このような症状は、初期段階では
「なんとなく効きが悪い」
「暑い日にだけ弱い」
という形で現れることがあります。
しかし、症状が進むと能力低下がはっきりし、やがて補充だけでは追いつかなくなります。
毎年同じ症状を繰り返していたという点から見ても、原因を曖昧にしたまま使い続けていたことが、結果として不具合を長引かせていたといえます。
⑤修理方針
今回の方針は、応急的なガス補充で終わらせず、漏れている部位に対して修理を行い、夏場の運用に耐えられる状態へ戻すことでした。
そのため、次の流れで進めました。
・冷媒回収を確実に行う
・室外機を分解し、内部へアクセスできる状態をつくる
・ファン取り外しを含め、熱交換器交換に必要な作業スペースを確保する
・熱交換器交換を実施する
・溶接部の気密性を確保する
・真空乾燥を十分に行い、系統内の水分を除去する
・復旧後に試運転を行い、能力と安定性を確認する
業務用エアコンの修理では、部品を交換しただけでは十分ではありません。
交換前後の冷媒処理、気密確保、真空乾燥、試運転までを一連で丁寧に行うことが、復旧品質を左右します。
⑥作業工程
今回の作業は、概ね以下の流れで進めました。
・現地確認、症状整理
・冷媒系統の診断
・室外熱交換器2台の不具合確認
・冷媒回収作業
・室外機分解、ファン取り外し、内部アクセス
・熱交換器交換作業
・溶接、接続部の気密確保
・真空乾燥
・試運転による能力確認、安定性確認
特に今回のような作業では、冷媒回収を確実に行ったうえで、熱交換器交換時の分解と内部アクセスを丁寧に進める必要があります。
また、真空乾燥は単なる形式的な工程ではなく、配管内の水分除去という意味で重要です。
この工程を丁寧に行うことで、交換後の系統を安定した状態へ戻しやすくなります。
冷媒回収作業











写真は真空乾燥し始めの画像です。
⑦結果確認
作業後は試運転を行い、能力と運転状態の確認を実施しました。
今回の対応では、
・夏場に冷えない主因を明確化できたこと
・室外熱交換器2台の漏えいに対して修理を行えたこと
・補充だけに頼らず、原因部位に対する対処ができたこと
が大きなポイントです。
「何となく冷えない機械」ではなく、
「なぜ冷えなかったのか」「どこを直したのか」が整理できたことで、今後の運用判断もしやすくなります。
⑧判断ポイント・ご相談について
今回の事例で重要だったのは、
「夏に冷えない」という症状を、暑さや経年だけの問題として片づけなかったことです。
業務用エアコンで次のような症状がある場合は、早めの点検をおすすめします。
・夏場になると明らかに冷えが弱い
・毎年同じような不具合を繰り返している
・ガス補充をしてもまた効きが悪くなる
・施設空調なので止まる前に原因を整理したい
特に特別養護老人ホームや介護施設では、空調の不安定さがそのまま運用リスクになります。
補充でごまかすのではなく、原因を切り分けたうえで、修理か更新かも含めて判断することが大切です。
同様の症状でお困りの方は、京匠技研株式会社までご相談ください。

