若さの特権

若さの特権というと、
体力があるとか、時間があるとか、
そういう話になりがちだ。

もちろん、それも間違いではない。
だが、もっと大きな特権があると思っている。

間違えても、まだ許されることだ。

若いうちは、判断を誤っても取り返しがつく。
選択を間違えても、やり直す時間がある。
周りも、多少は待ってくれる。

だからこそ、安全な道ばかりを選ぶのはもったいない。


若さの特権は、正解を当てることじゃない。
外しても、もう一度打てることだ。

失敗して、恥をかいて、遠回りをして、
それでも前に戻れる。

この経験は、後になってからでは手に入らない。
年を重ねるほど、外す余裕は減っていくからだ。


年を重ねると、一つの判断の重さが変わる。
背負っているものが増え、
簡単に外せない選択が多くなる。

仕事。家族。信用。責任。
自分だけの判断では済まない場面が増える。

だから、若いうちに外しておく。

勢いでやってみる。
考えが甘いまま動いてみる。
結果を見て、反省する。
次は少しだけ精度を上げる。

この循環を回せるのが、若さの本当の特権だ。


うまくいかなかった経験は、決して無駄にならない。
後になって、判断を早くし、
余計な欲を削ってくれる。

若いうちに失敗を重ねた人は、年を取ってから強い。
無理をしない。
背伸びをしない。
自分のサイズを知っている。

それは、弱さではない。
無駄を省ける強さだ。


若さは、使わなければ減っていくだけだ。
守って温存するものではなく、
使って形を変えるものだと思っている。

だから、若いうちは動く。
考えながらでもいい。
転びながらでもいい。

若さの特権は、完璧でいられることじゃない。
未完成のまま、前に出られることだ。

それを一度でも使えた人は、
その後の人生が、ずっと楽になる。