断る時に考えること
仕事を断るというのは、簡単なことではない。
条件が悪いわけでもない。
人として嫌いなわけでもない。
むしろ、ありがたい話であることの方が多い。
それでも、断る判断をする時がある。
その時、必ず自分に問いかけていることがある。
この仕事を引き受けた時、最後まで責任を持って向き合えるか。
これが、一番最初に考えることだ。
忙しいかどうか。
儲かるかどうか。
評価につながるかどうか。
そういう条件は、その後。
途中で投げたくならないか。
無理をして帳尻を合わせることにならないか。
説明が曖昧になり、相手の判断を迷わせないか。
誰かに負担を押し付ける形にならないか。
そこに少しでも引っかかりがあるなら、引き受けない。
仕事は「受けた瞬間」ではなく、
「終わらせ方」で信用が決まるからだ。
できない理由を並べることは簡単だ。
忙しい。
人が足りない。
スケジュールが合わない。
だが、本当の理由はもっと単純だ。
自分の基準を守れない仕事は、やらない。
それだけなんだよね。
引き受けてしまえば、形にすることはできる。
現場は何とか回せる。
だが、それでは自分が納得できない。
仕事は、相手のためでもあるが、自分のためでもある。
納得できない仕事を重ねると、
判断が鈍る。
姿勢が崩れる。
そして、一番大事な信頼を削ってしまう。
断るという判断は、逃げではない。
自分の限界と責任範囲を、正直に認める行為だと思っている。
だから、断る時は丁寧に断る。
曖昧にしない。
期待を持たせない。
できないことを、できるような顔で引き受けない。
それは相手のためでもある。
期待させたまま時間だけが過ぎるのが、
一番の損失になることを知っているからだ。
仕事は、数もいるが質はもっと大事。
引き受けた仕事を、どう終わらせるかの方が大事だ。
今日も、自分の基準を崩さずに仕事をしている。
引き受けると決めた仕事には、迷わず全力で向き合う。
その線引きができている限り、仕事は長く続く。
そう思っている。

