業務用エアコンが冷えない原因はガス漏れか|30馬力ビル用マルチの窒素加圧検査で室外機熱交換器漏えいを特定【浜松市】
業務用エアコンが冷えない時、冷媒圧力が落ちているからといって、その場でガスを補充して終わらせるのは危険です。
特にビル用マルチは、複数系統が絡むため、原因を曖昧にしたまま復旧を急ぐと、同じ停止を繰り返すことがあります。
今回は浜松市内の現場にて、30馬力のビル用マルチエアコンが冷えないとのご相談をいただきました。現地で圧力を確認したところ、ガス圧はゼロの状態。そこで窒素加圧による漏えい検査を実施し、室外機熱交換器からの漏えいを特定した事例です。今回は「とりあえず冷媒補充」ではなく、どこで漏れているのかを切り分けることを優先した点が重要でした。
①依頼背景
浜松市内の現場にて、業務用エアコンが冷えないとのことで点検のご依頼をいただきました。
ビル用マルチエアコンは、室外機と複数の室内機が連動しており、単純なパッケージエアコンよりも系統の切り分けが難しくなります。
そのため、冷えない症状が出た時に、すぐガス補充を行うのではなく、まずは原因を絞り込んでから是正方法を決めることが重要です。
今回も、応急対応で動かすのではなく、根本原因を確認する前提で点検を進めました。
②概要(場所・症状・対象設備)
【場所】浜松市
【症状】冷房が効かない
【対象設備】ビル用マルチエアコン 30馬力
【機種】RSXYP450M × 2台
30馬力クラスのビル用マルチになると、冷媒回路も大きく、どこで圧力が抜けているか、どの系統で異常が起きているかを丁寧に見なければ判断を誤ります。
この規模の機械では、原因特定の精度がそのまま修理品質に直結します。
③診断
まずは基本の確認として、マニホールドゲージで圧力を確認しました。
その結果、ガス圧がゼロの状態を確認しました。
ここで分かるのは、冷媒が正常に残っていないという事実です。
ただし、重要なのは「冷媒がないから補充する」ではなく、「なぜここまで冷媒が抜けたのか」を見極めることです。
冷媒が抜けている以上、どこかで漏えいしている可能性が高く、そのまま補充しても再び能力低下や停止を起こします。
そこで今回は、漏えいの有無だけでなく、どこで圧力が落ちているのかを切り分けるために、窒素加圧による漏れ検査へ進みました。
④原因特定
窒素加圧による漏れ検査の結果、室外機熱交換器で漏えいを確認しました。
今回の冷えない原因は、単なる冷媒不足ではなく、室外機熱交換器から冷媒が漏れたことで、系統内の冷媒量が不足し、冷房能力が出なくなっていたことにあります。
業務用エアコンの現場では、ガス圧が低いとすぐに「ガス補充で様子を見る」という判断になりがちです。
しかし、今回のようにガス圧がゼロまで落ちているケースでは、漏えい箇所を特定しないまま復旧をかけても、根本は何も解決していません。
現場で本当に必要なのは、その場しのぎではなく、どこで漏れているのかを確認し、原因に対して手を打つことです。
⑤修理方針
今回の方針は、応急的な冷媒補充で終わらせず、原因箇所を明確にしたうえで、後日の根本修理につなげることでした。
そのため、次の考え方で進めました。
・ガス圧ゼロの原因を漏えい前提で切り分ける
・窒素加圧により系統の保持状態を確認する
・室外機熱交換器の漏えいを特定する
・場当たり的な補充ではなく、後日の熱交換器交換へ進む判断を行う
ビル用マルチは、見立てを外したまま作業を進めると、部品交換も工数も無駄が大きくなります。
だからこそ、まずは診断と切り分けで根拠を揃えることが重要です。
⑥作業工程
今回の点検・検査は、概ね以下の流れで進めました。
・現地確認、運転状況確認
・マニホールドゲージによる圧力確認
・ガス圧ゼロの状態を確認
・窒素加圧による気密検査の実施
・保持状態を確認しながら漏えい箇所を切り分け
・室外機熱交換器での漏えいを確認
・後日、熱交換器交換へ進む判断を実施
このような検査では、単に加圧して終わりではなく、圧力の保持状況や落ち方を見ながら、どの部分に問題があるかを絞っていくことが重要です。
原因を曖昧にしたまま作業を進めるより、ここでしっかり切り分ける方が、結果として復旧までの最短距離になります。

ガス漏れ検知器にて調査

窒素を入れてガス漏れを調査、機械側では3.8MPaほどに調整

⑦結果確認
今回の時点では、冷えない原因となっていた主因が室外機熱交換器の漏えいであることを確認できました。
・ガス圧ゼロの原因を把握
・窒素加圧で漏えい箇所を特定
・室外機熱交換器が主原因と判断
・後日の根本修理方針を確定
つまり、単に「冷えない機械」ではなく、どこが悪くて、何を修理すべきかが明確になった状態です。
この段階まで切り分けできると、後の修理も無駄なく進めやすくなります。
⑧判断ポイント・ご相談について
今回の事例で重要だったのは、冷えないという症状を、ただの冷媒不足で終わらせなかったことです。
業務用エアコンの現場では、
・冷えない
・圧力が低い
・とりあえずガスを入れる
という流れになりやすいですが、それでは再発リスクが残ります。
本来は、
・本当に漏えているのか
・どこで漏れているのか
・補充で済む状態なのか
・交換まで必要なのか
を整理してから判断する必要があります。
業務用エアコンが冷えない、ガスを入れてもまた効きが悪くなる、ビル用マルチの漏れ検査をきちんと行いたい。
そのような場合は、現場状況を確認したうえで、必要な検査と修理方針を整理してご提案いたします。
同様の症状でお困りの方は、京匠技研株式会社までご相談ください。

