仕事は、段取りで9割決まる
私の師匠に、
「仕事は段取り9割」と教わったことがある。
若い頃は、正直あまり実感がなかった。
手を動かしている時間こそが仕事で、
準備はその前段階くらいに思っていた。
だが現場を重ねるうちに、
その意味が少しずつ分かってきた。
仕事は、作業中に決まるんじゃない。
始まる前の段取りで、ほとんど決まっている。
どんな順番で進めるか。
何を先に確認するか。
どこで判断を入れるか。
ここが曖昧なまま現場に入ると、
あとから必ず無理が出る。
作業自体が難しいから時間がかかるのではなく、
段取りが薄いから、途中で詰まる。
戻る。
やり直す。
判断を入れ直す。
結果として、余計に時間を使う。
逆に、段取りが決まっている現場は、
作業そのものは静かに進む。
特別に速く動いているわけでもない。
ただ、止まらない。
止まらないというのは、
迷わないということだ。
次に何をするかが分かっていれば、
手は自然と動く。
段取りというのは、
準備の量ではなく、判断の順番だと思っている。
全部を完璧に想定する必要はない。
だが、最初の一手と次の一手、
その次くらいまでが見えているかどうかで、
現場の流れは大きく変わる。
段取りができていると、
想定外が起きても崩れにくい。
軸があるから、
その場で判断を入れ直せる。
逆に、段取りがない現場は、
想定外が一つ起きただけで、
全体が止まる。
慌てて対応する。
さらに別のミスが出る。
余計に焦る。
悪循環は、だいたいここから始まる。
師匠の言っていた
「段取り9割」という言葉は、
楽をするための話ではなかった。
失敗しないための話だったのだと、
今はよく分かる。
結果として、
無理をしなくても仕事が回るようになる。
仕事を長く続けるには、
根性よりも、仕組みの方が大事だ。
段取りをしっかりするようになってから、
現場で焦ることは、明らかに減った。
今日も、派手なことはしない。
ただ、順番だけは間違えないようにして、
一つずつ進めていく。
それが、今の自分の仕事のやり方なんだ。

