適正価格の考え方

相見積。
今の業界では当たり前のように行われている。
そして現実として、相見積の場では同業が互いに買い叩くことが多い。

「安ければどの業者でもいい」
そういう考え方が、いつの間にか標準になってしまっている。

私は、そこを変えたいと思っている。

価格は大事だ。
予算があるのも分かる。
だからこそ、なおさら「安さだけ」を基準にすると、必ず歪みが出る。

安さの裏側には、削られた何かがある。
時間、確認、段取り、品質、説明、そして安全。
目に見えないだけで、必ずどこかにしわ寄せが生まれる。

結果として困るのは、依頼した側ではないか。
対応が遅い。連絡がつかない。判断が曖昧。
やり直しが増える。現場が止まる。
こういう後から出る損は、見積書には書かれていない。

だから私は、価格に「適正」を置いている。

適正価格というのは、ただ相場の真ん中の金額ではない。
業界の相場を守ることは大前提として、
その上で 対応力や技術力を含めた対価 として金額を出している。

・急な相談でも、動ける体制があるか
・原因を見極める力があるか
・話が通じるか、判断が早いか
・段取りと安全を守れるか
・最後まで責任を持ってやり切れるか

こういう要素は、同じ「作業」に見えても、実は中身がまるで違う。
そしてその違いは、トラブルが起きた瞬間に一気に表に出る。

適正価格とは、
安心して任せられる状態を維持するための価格 だと思っている。
私たちが守っているのは、作業そのものだけではない。
現場の運用、段取り、そして依頼する側の時間と信用だ。

相見積は、悪ではない。
比較すること自体は合理的だ。
ただ、比較の軸が「安さだけ」になった瞬間に、価値の判断が止まってしまう。

私は、そこを止めたくない。
価格の理由を説明し、価値の違いを言語化し、
「安ければいい」という発想を減らしていきたい。

適正価格で、適正な仕事をする。
それが結局、お互いにとって一番まっすぐで、強いと思う。